こんにちは

query_builder 2025/04/19
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こんにちは。おうちdeペットクリニックの獣医師の渡邊です。

本日は、肛門嚢アポクリン腺癌の子についてです。
年齢の関係上、肛門の拡張手術や放射線治療はできず、2年間ご家族で悩まれていたとのこと。

とうとう排便ができなくなり、ご家族が留守中にわんちゃんが鳴きさけんでいることから、ご近所からの通報がありご近所トラブルまで発展したとのこと。
ご家族の中でどうすれば良いのかわからないと、当院を受診されました。
もう2〜3日は食事もできてないとのことです。

最初伺った時は、ご家族が触っても歯が出るほど気が立っていましたが、
まずは便秘薬等での便排出の改善、胃腸の動きを整えることを優先し、ご飯を食べるまでに3日。
毎日通わせてもらいながら本人の変化を観察しながら、できることを拡大していったところ、
1週間で留守中に泣き叫ぶことなく、ぐっすりと休めるようになりました。
今では、お尻周りに手を当てても歯を立てることはありません。
ここからは腫瘍に関する緩和をどこまでアプローチするかをご家族と話し合いを行なっていきます。

腫瘍等は、
摘出や化学療法による治療などもありますが、
痛みや生活の質を考えるQOLの改善を同時に行うことも大切です。
また闘病生活、老犬生活を支える家族にとっては、「吠え」の問題による近隣とのトラブルも重要な事項です。

まずはご家族だけで悩まずに、できること。やれること。選択肢を広げるためにも病院に相談しましょう。

当院は、留守中の間の訪問介護や看護にも担います。
投薬についてもご相談ください。
この時期はご家族だけで悩まない事が、本当に大切です。

今回の子は、今では訪問時に玄関まで迎えにきてくれるようになったことに嬉しく思いつつ、ご家族とお話ししながら次のステップへと進みます。

おうちdeペットクリニック
渡邊